2025年06月05日

国宝

浜大津付近から始まって、琵琶湖の水を京都まで届ける運河、琵琶湖疎水ありますよね。
そのうち大津市から京都市にかけての24か所の施設が重要文化財、そのうち5か所が「国宝」として指定されることとなりました。
さらには2025年4月26日から6月15日までの期間「大阪市立美術館」「京都国立博物館」「奈良国立博物館」の3カ所で国宝展が開催されるなど、滋賀を中心とした関西圏は今や空前の国宝ブーム!!
大阪万博もいいけれど、今は国宝も熱い。

 と、そんな話を前振りに・・・
大津市旧志賀町の山間部に以前より行ってみたかったところがありまして、そこがここ

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 (ヒャッケンツツミ)

 場所はJR志賀駅から山間部へ向かって約3キロ。クマが出そうな道を案内役のGoogleマップを頼りに向かいました。
Google先生のおっしゃり通りに進んでいきますと、ご丁寧にも途中から道なき道をご案内してくれまして、倒木の下を潜り抜け、膝下まで埋もれそうな落ち葉の上を歩き、ここは入ったら不審者に思われるから通ったらダメだろうと思われるような所を通り抜けやっと目的地に到着することが出来ました。

 さてその百間堤とはいったい何なのか?写真をご覧ください

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 これはいったい何かと申しますと、
この近くを流れる河川である四ツ子川は昔よく氾濫を繰り返し川下の村に被害を与えていました。 とくに1852年の豪雨での被害は甚大で、村の人々は領主の方と相談し皆の総力を合わせ元々あった堤防の大改修を行い、その時に完成した堤防がこの百間堤なのです。
 百間とは約200メートル、工期は5年と8か月、のべ1万344人の人の力を合わせて百間堤は完成しました。そんな大工事を経て完成したこの堤防は、その後200年近く地元の人たちの生活を守ってくれています。
 
さらにはこの堤防の下流にはもう一つ「女堤」と呼ばれる少し小さめの堤防がありまして、そこは重たい石が運べない、女の人でも持てる大きさの石を使って作られた堤防です。
 男性だけではなく、女の人や子供たちまで、まさに村の人全員の力で、自分たちの生活を守るために作った努力の結晶がこの百間堤と思われます。

 以前から興味を持っていた場所ではございますが、正直ここまで迫力のある壮大な建造物がこんな山奥にあるとは思ってもいなく、すごく感動してしまいました(さながら湖西地区のマチュピチュ)。
 百間堤は全国的には確かに無名なのかもしれませんが、この近くに住んでいる方たちにとっては生活を守ってくれる偉大な建造物で、まさしく地域の宝物であり、住人の方にとっては「国宝」と呼んでも差し支えないものだろうなと勝手に考えながら帰路につきました。

 おまけ 
 往路はGoogle先生に道案内をしてもらって道なき道を進んできましたが、実は百間堤には車が普通に通れるほど整備された道が繋がっておりました。
Google先生に教えてもらった道なき道はいったい何だったのでしょうかね。
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【堅田 マイングラス・タイム&ジュエリーの最新記事】
posted by optical-shimizu_blog at 11:34| Comment(0) | 堅田 マイングラス・タイム&ジュエリー
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