毎年この時期、初夏になると、このあたりの湖岸には細々とですがハマヒルガオの花が咲きます。


そもそもハマヒルガオと申しますと、海浜植物(かいひんしょくぶつ)といって、文字通り海岸の、主に砂浜に生育する植物のことであります。
砂浜に生える植物なら琵琶湖岸に生えていても何もおかしいこと無いのではないか?と、思ったら大間違い。
海浜植物は、湖(うみ)ではなく塩っ気のあるほうの海(うみ)の砂浜に生息する植物のことを指して言われるものなのです。
???ではなぜ海浜植物であるハマヒルガオが淡水湖の琵琶湖岸に生息しているの、と疑問を持ちますよね。
それは昔、といっても何万年も前の昔の話ですが、琵琶湖は今の三重県のあたりにあって、その時は海と繋がっていたそうなのであります。
琵琶湖は三重県のあたりから徐々にその場所を移動させ、現在は滋賀県のど真ん中に腰を落ち着けています。
その時の名残で、海浜植物であるハマヒルガオが、淡水湖の琵琶湖岸に生息しているらしいのです。
琵琶湖のお引越しに、ハマヒルガオもお付き合いしたみたいなのですね。
余談ですが、移動を続けている琵琶湖は将来、福井県若狭の方面へ移動して、そのまま日本海と繋がるのではないかと予測されています。
そんな琵琶湖の大移動を証明する一つとしても、琵琶湖岸ハマヒルガオの存在は大きいと思います。
そんなハマヒルガオ、琵琶湖岸に生息する花は絶滅の危機にあるそうです。
何十万年も太古の昔から故郷を離れ琵琶湖とともに生きてきた、琵琶湖岸のハマヒルガオ達。
その可憐な姿をいつか機会があればご覧になってください。
幸い今年は例年よりも多くの花が咲いているような気がします。


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