さて、長く続いた江若鉄道路線跡の旅もそろそろ終わりにしたいと思います。
白髭浜あたりを通過した江若鉄道は、国道161号線を通り、途中からJR高島駅へと向かって逸れ、民家の間を走り抜けていきます。

この道沿いには大溝城跡など見どころもあるのですが、今回は線路跡左側にある「乙女が池」をご紹介。

乙女が池は琵琶湖の内湖でブラックバス釣りなど賑わうところです。
古くは万葉の時代から親しまれた池で、奈良時代の一大事件「恵美押勝の乱」の舞台となった歴史上意味のある場所でもあります。

昔に争乱の舞台となった土地ですが、乙女が池自体は、名前の通りロマンチックな雰囲気を醸し出すところですので、もし近くに行かれることがあれば、夏休みの思い出作りにでも是非に。
おススメです。
江若鉄道はその後は現在のJR湖西線と同じルートをたどって北上し、最終的には以前ご紹介した終点近江今津の駅にたどりつき、江若鉄道路線跡は一端の終わりを迎えます。

その駅舎も老朽化には耐えられず、解体されてしまい江若鉄道はさらに歴史の彼方へと・・・。
(写真は在りし日の近江今津駅)
そもそもですが江若鉄道と名前が付くのは、近(江)と(若)狭地方を最終的には結ぶ鉄道という、現在でも実現されていない壮大な計画のもとにスタートしたのが名前の由来です。
ただ、今津と若狭小浜の間には山をいくつか越えなければなりませんので、それ用の車両を走らせるかトンネルを掘るかをしないと目標とする若狭地方まではたどり着けません。
それはかなりの難事業ですので令和の今でも二つの街をつなぐ公共交通機関は路面バスしか走っていません。
でも、いまから何十年も前に江若鉄道という途方もない線路を敷こうと夢見た人たちがいてくれた、それだけでも夢のある話じゃないかと私は思います。
昭和中期のそんな夢を令和の今、考えてみるのも有効な暇つぶしになると思われます。
最後に「若狭」という土地の語源を皆さんご存じですか?
若狭は、「ワッソ」と「カッソ」、ワカソという韓国語が語源だと言われています。
言葉の意味はワッソ(来る)カッソ(行く)、つまり人々などが行ったり来たりする土地という意味であります。
若狭地方は朝鮮半島経由で古代中国文化を、さらには近江の国湖西地方を通り都京都に届ける玄関口として、内外の人々の多くがワッソカッソしていた土地だったのです。
いつの時代になるかわかりませんが、近江の国と若狭の国の人や物資が電車でワッソカッソ出来る、本当の江若鉄道が走る時代が来ればいいですね。
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